心不全治療に朗報!京大がES細胞の心臓組織シートを従来より簡単に重ねられる手法を開発

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京都大学 時計台 全体   京都大学iPS細胞研究所がまた、再生医療に革命をもたらしそうだ!   「日刊工業新聞」は本日、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の山下潤教授や京大再生医科学研究所の田畑泰彦教授らの研究グループが、マウスのES細胞(胚性幹細胞)から作製した心臓組織シートにゼラチンハイドロゲルの粒子を挟み、簡易にシートを積層化する手法を開発したと伝えているので、ご紹介しようと思う。

「心臓組織シート」実用における問題点を解消

これまでも、ES細胞(胚性幹細胞)から作成した「心臓組織シート」と呼ばれる薄いシートを心臓の治療に役立てる試みが続けられてきたが、この治療法の難点として、動いている心臓に対してシートが生着しにくい点が問題となっていた。   しかし、今回山下教授などが開発したマウスのES細胞に対して「ゼラチンハイドロゲルマイクロスフェア(GHM)」を挟む手法を用いれば、簡易にシートを重ねることが可能となり、計15枚ものシートを重ねることに成功し、効果の長期化も果たすことができたという。

ヒトiPS細胞における検証実験にも着手

現在山下教授らは、ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)でも同様の積層化に着手しており、重症の心不全治療に役立つ治療として実用化が期待されている段階である。   再生医療の分野では抜群の存在感を放つ京大。今後の研究にも期待をしていきたいところだ。