脱ジョブズのその先へ・・・Appleはどこに向かうのか
新製品だけでなく、常に新しいビジネスモデルを打ち出してきたアップル。
株価下落や批判も出てきており、成長も鈍化したかに見える同社ですが、その先に見据えるものは一体何なのでしょう。
株価下落は期待度の高さの裏返し!?
iPhoneは登場してからというもの、1年毎にメジャーアップデートとマイナーアップデートを交互に繰り返しています。
今年はマイナーアップデートの年にあたりますが、9月9日に開催された発表会は、例年にないほどの規模で、内容も盛りだくさんでした。
アップルCEOのティム・クック氏は、新iPhoneの発表に先立ち、「Apple Watch」のエルメスとのコラボや同社初の12インチタブレット「iPad Pro」、新OSを採用した「Apple TV」と、新製品を次々と発表。
また、iPhoneについても、「3D Touch」などの新機能や新色が登場するなど、メジャーアップデートのようなラインナップだったといえるでしょう。
発表直後、株価は一時下落
にもかかわらず、発表直後、同社の株価は下落。
市場参加者は、アップルに対し、常に刺激、驚きを求めていて、株価下落はその高い期待度の裏返しとも捉えられます。
ユーザーの発表もまさに同様で、発表会中リアルタイムでつぶやかれたツイートは、不満げなものが多かったように思えます。
とりわけ、「iPad Pro」とあわせて、スタイラスの「Apple Pencil」が発表された直後には「マイクロソフトの二番煎じ」や「ジョブズなら絶対につくらなかった製品だ」とのツイートが溢れていました。
アップル前CEOのジョブス氏は、かつてのプレゼンでスタイラスを真っ向から否定していたのだから、その反応も無理はないでしょう。
アップルの株価は適正水準なのか
アップルの株価は、これ以上ないところまで高まってしまったように思います。
それゆえ、コモディティ化が進むスマートフォンやタブレットにおいて、市場もユーザーも、アップルには常にイノベーティブであることを求めてきた、常に成長し続けることを求めてきた、その「反動」が出てきているのでしょうか。
ジョブズ亡きあと、同社の苦悩は深い。
プラットフォームを巡る争いも激化。大丈夫かアップル
一方で、プラットフォームを巡る争いも激しさを増す一方。
グーグルは9月末の自社のイベントでアプリストア「Google Play」のアクティブっユーザー数が、1か月10億人以上に達したと発表。
また、最新のAndroid OSを搭載したスマートフォンやタブレットに加え、テレビで「Google Play」の一部対応アプリが手軽に楽しめる「Chrome Cast」の新製品をリリースしました。
テレビに戦いの場を広げた両者のプラットフォーム争いは、まだまだはじまったばかりです。
マイクロソフトも巻き返しを狙う
スマホ、タブレット、ウォッチ、テレビと、グーグルとの戦いが過熱する一方で、モバイルで出遅れたマイクロソフトも、Windows 10でPCからモバイルまでをシームレス化し、巻き返しを狙っています。
新興国では安価なAndroid、法人市場ではWindows Phoneと、ライバルたちの包囲網が広がる中、アップルの次なる戦略として注目を集めているのが、「iPhone Upgrade Program」です。
これは月々一定の金額を支払うことで、常に最新のiPhoneを使い続けられるというサービスで、日本のキャリアも似たようなサービスの提供をはじめていますが、アップル自らが提供するこのプログラムは、キャリアの縛りもなく、乗換えもできるのが大きな特徴です。
まずは米国からスタートというですが、今後は他国への展開も予定されているとのことです。
キャリアにも大きな影響を与えるアップル。
今後も引き続き、アップルの動きから目が離せない日々が続きそうです。
以上、ブランクファインでしたー。
photo by !efatima