京都大学「特色入試」の是非を考察する − 暗記重視から個性重視へ!

スポンサーリンク

京都大学では今年から、「特色入試」なる入試制度が導入された。京都大学が従来型の筆記試験以外の入試を実施するのは初めてであり、世間的な注目を浴びているが、一体どの辺りが変わり、「特色入試」は一体どうなのかということを自身の経験に照らしあわせて考察してみた。

特色入試とは?

まず、「特色入試」とはなんぞやというところから。   京都大学ではこれまで「一般入試」とも呼ぶべき、学業試験が実施されてきた。この選抜方式で測れるのはどちらかと言うと暗記や努力度合いの審査であり、やればやるほど、そして覚えれば覚えるほど高得点を取れるようなシステムであった。   しかし「特色入試」では山極寿一総長の「飛び抜けた部分を評価することで、さまざまな特色を持つ学生を集めたい」との言葉通り、高校の成績が記載された調査書のほか、入学後の研究計画や卒業後の進路などを記した「学びの設計書」などが審査の対象となり、筆記試験や面接、センター試験などの成績が総合的に評価されるシステムとなっている。

当初段階では志願者が不足気味

入ってしまえば、「一般入試」「特色入試」とも京大生ということには変わりないが、いかんせん始まったばかりのシステムということで、志願者数は非常に少ない。できれば簡単な方法で入りたいというのが本音だろうが、たった1年間で準備する学生としてはかなり怖い制度であることは間違いない。   [blogcard url="http://resemom.jp/article/2015/11/09/27826.html"]   教育学部においては志願者25人に対し12人が合格、理学部は志願者59人全員、医学部人間健康科学科でもすべての専攻を合わせた志願者22人全員が書類審査による第1次選考を通過したと「リセマム」が報じている。出願状況はというと、  

総合人間学部が志願者数29人で倍率5.8倍、文学部が同40人で4.0倍、経済学部が同77人で3.1倍、医学部医学科が同5人で1.0倍、薬学部薬科学科が同2人で0.7倍、工学部は電気電子工学科が同12人で2.4倍、情報学科が同1人で0.5倍、農学部食料・環境経済学科が同20人で6.7倍。工学部地球工学科と工業化学科は志願者がいなかった。

  とのこと。志願者ゼロと聞くとは驚きですな。受験生にとっては非常に検討が難しいシステムであることが分かる。

ちなみに筆者は論文入試合格者

現在では「特色入試」が注目されているが、実は筆者はその1段階前に注目された経済学部論文入試の合格者。論文(日本語・英語)と数学のみ(※現在は異なる)の突飛な入試制度に助けられたクチだ。   筆者自身が自分が京大生であったということに対して、一番疑念を持っていると言っても過言ではない。入試前日まで友達と合コンに参加して受かってしまったのはここだけの話。だって暗記科目なかったんだもん。   こう書いただけでなんとなく先は見えると思うが、個人的には今回の「特色入試」は「なし」寄りだと思っている。正直この制度は、京都大学に入ったあとに一切の学習をしない集団が入る可能性のある制度である。まあいろんな人が入ってサラダボウル的な感じになれば面白いけど。   「大学生のうちはよく遊べ」とは私自身周りによく言われたものだが、今になってから正直全く勉強しなかったことに後悔している。動物的嗅覚である程度の成功を収めることはあっても、あとひと押しが足りない。おそらく何かの経済学的な教科書に書いてあることなんだろうけど、その何かがわからないことが多い

京都大学といえばノーベル賞

京都大学といえばノーベル賞が注目されがちだが、経営者として成功した人物となるとそこまで数はいないと思う。勉強すれば成功するのか?と問われれば答えは「ノー」だと思う。それはスティーブ・ジョブズを見れば明らかだろう。彼、大学中退しているしね。それ考えると、資格マニアとか、正直個人的に乙としか思わない。   でも、スティーブ・ジョブズでさえもフォントの勉強をガッツリしたように、ある特定の分野に対してはとことん強いというような人間の育成は、日本の教育社会の中で急務だと思う。   「特色入試」で合格した生徒の中に、そういう1つのことに没頭できる可能性のある原石的な存在が含まれていれば良いが、一体どうなることやら・・・。論文入試合格者でそんなやつ見たことないなあ・・・いらぬおせっかい?