銀行員も知らない「アマゾン・レンディング」について知っておくといいよって話。

スポンサーリンク

こんにちは、blankfeinです。   昨日、前職の銀行時代の同期と久しぶりに飲んで、「将来金融業界はどうなるか」みたいな話になって、そのときに「最近は、グーグルとかアップルとかアマゾンとかフェイスブックみたいなテクノロジー企業が、金融分野に進出してくるからまじ脅威」って話になったんですけど、アマゾンがはじめた融資サービス、アマゾン・レンディングについて意外に知られていないと感じたので、ここで紹介しておく

アマゾン・レンディングとは

アマゾンレンディングについてわかりやすく説明している記事があったんで、ちょっと引用する。(ECのミカタ

Amazonレンディング」は「すぐに売れ筋商品の仕入れをしたい」「品揃えを充実させたい」「FBA(フルフィルメント by Amazon)による出品比率を増やしたい」という事業者の要望にタイムリーに応えることができるサービスだ。販売事業者の実績に応じて「Amazonレンディング」が事前審査を実施し、審査基準を満たすと、セラーセントラルと呼ばれる出品管理ツールのトップページに融資の案内が表示される。そして、都合の良いタイミングで申込から契約までをすべてオンラインで完了することができる。返済手続きはシンプルで、売上から定額が自動で返済される。繰上げ返済の申請もオンラインで解決することができる。

とね。まあ、購買データを持ってるってのは、非常に強い。銀行の融資の審査って、基本的に決算書の内容がすべてで、商売の細かいところまで見たりするなんてことは、基本的にはない。   ただ、アマゾンは出品者がどういう仕入をして、どういう売上があって、客層はどんな客で、どの時期に売上がたくさんあがって、みたいなデータがめちゃくちゃとれて、それをたくさんくっつけて統計的にこの企業にはこれくらい貸せるとかはじき出せるんで、まじで脅威である。しかも、いまんとこ金融規制とか受けないしね、将来的にはわからないけど。

最大5000万円まで融資可能!利率は自動で決まる?

ECのミカタからもうちょいだけ引用します。

そして、リファイナンス型の商品発表と供に、「Amazonレンディング」の返済期間に、従来の「3ヶ月」と「6ヶ月」に加え、「12ヶ月」が追加されることも発表された。「3ヶ月」や「6ヶ月」という返済期間では返済できないのではと考え、融資を受けることを迷っていた事業者にとって朗報である。

返済期間も伸びるのね、アマゾンすげーぞ。

最小は10万円から最大5,000万円までの幅広い融資額が可能で、Amazonにおける販売実績が好調であれば、融資の案内金額も増加する傾向にあるという。融資金額や利率は自動で変動する。なお、リファイナンス型の利用は、2回目以降の融資案内から可能となる。繰上げ手数料をはじめ、保証料や事務手数料、印紙代なども不要であるため、コストの軽減ができるという。全てがオンラインで完結させることができるからこそ、である。

確かに、既存の銀行融資にひそんでた「見えざるコスト」みたいなものがなくなっているのね、こりゃすごい。融資金額や利率も自動で変動するってのも、すごいな。もはや銀行員いらなくない?ってレベルだろ

アマゾンやグーグルが「フィンテック推進連合」ってのを立ち上げたらしい

アマゾンの金融サービスも、既存の金融業界からすれば相当脅威だけど、アマゾン以外にもグーグルとかフェイスブックとかもいて、まじで異種格闘技みたいになってる。   最近では、シリコンバレーのテクノロジー企業が、金融分野に進出すべく、ロビー活動を行う団体を立ち上げたらしい。フォーブスにおもしろい記事があったので、紹介しておく。(アップル、グーグルら5社「フィンテック連合」を結成

アップル、グーグル、アマゾン、イントゥイット(Intuit)、ペイパルの5社は日頃から激しい競争を繰り広げているが、業界の法規制の問題に関しては意見が一致する。それは、米国議会はシリコンバレーにもっと好意的であるべきということだ。テック業界の大手5社は、一枚岩となってこのビジョンを実行に移すため、ロビー団体を結成した。「Financial Innovation Now」と名付けられたこの団体は、フィンテックを推進する企業にとって有利な政策を推進する。年寄りの多い議員(上院の平均年齢は61歳)にシリコンバレー発の最新テクノロジーについて教育すると同時に、巨大銀行らがフィンテック業界の規制強化を求める動きを封じ込めることを活動の目標とする。

これは、ウォール街からすれば、ひえええって状況で、自分のところは規制強化規制強化でがんじがらめにされてる間に、テック企業に金融分野に進出されたらかなわないだろうなってことだよな。   ただ、オバマはどちらかというと、シリコンバレー寄りな気もするし、ドット・フランク法も通したので、ウォール街寄りの政策をとるとは考えづらい。ちなみに、次期大統領候補のヒラリー・クリントンも、これまでは親ウォール街だったけど、最近はそうでもないという話を聞いたことがある。ジェブ・ブッシュはたしか親ウォール街だったはずだけど。

金融スキルをもった人材の争奪戦が、シリコンバレーではじまるかも

ラストにもういっちょ引用させて頂くよ。金融規制のお話。

ソーシャルレンディングが推進されれば、ペイパルにとっては間違いなくプラスになる。ペイパルが提供している中小企業向けローン事業は急成長をしており、この冬には融資額が10億ドルに達する見込みだ。この動きはFunding Circle、Fundera、SoFi、Prosperといったスタートアップを後押しすることにもつながる。 最近マンハッタンで行われた金融カンファレンス、「Buttonwood conference」で、CircleUpの共同創業者ローリー・イーキンと、Bettermentの創業者ジョン・スタインは、事業を立ち上げる前に、業界の規制について理解するのに苦労した体験を振り返った。 「シリコンバレーの企業の中でも、特に規制が厳しい。常に監視の目に晒される」とイーキンは言う。一方、スタインは「必ずしも悪いことではない」と言い、厳しい規制について学ぶために読み込んだ書籍の数は、「図書館を手に入れたに等しいほど」と話す。彼は、既存の法律を軽視せずによく理解をし、政策立案者とも協力関係を築くことが大切だと述べた。

いやーまさに、金融規制はめちゃくちゃ複雑で理解するのにすごい苦労する。だけど、これから金融業界にいく場合でも、めちゃくちゃ使える知識だし、こういうテクノロジー企業に転職とかする場合も、金融規制やってましたとかは結構有利に働く気がしてきた。   テクノロジー企業って、やっぱり「プラットフォームを握る企業が生き残る」ってよく言われているけども、プラットフォームを握るにはやっぱり金融を握るのは絶対に必要なので、金融のスキルとか専門性はけっこう使えるなってなんか思った。   ってわけで、疲れたので本日は以上。ではでは、blankfeinでしたー。