中国経済について理解するなら知っておきたい「李克強指数」とは
こんにちは、blankfeinです。
本日は、中国経済について理解するなら知っておきたい「李克強指数」について紹介したい。
李克強指数とは
李克強指数とは、中国で比較的信用度が高いと言われている経済指標。李克強指数では、電力消費量、銀行融資、鉄道輸送量の3項目から構成され、中国経済の実際の経済状況を知る上で、重要な指標となっている。
このうち、銀行融資は政策的なものが増えたことから信用度が下がっている。となると、重要なのは、電力消費量と鉄道輸送量だが、電力消費量については、2014年前半までは前年同期比5%台の伸びを示していたが、2014年後半から伸び率が鈍化し、2015年に入ってからはは横ばい。
鉄道輸送量については、2013年後半はプラスだったが、2014年に入って、マイナスが目立つようになり、2015年からは10%台のマイナスが続いている。
富士通総研の柯隆氏も「李克強指数」が2015年上半期に2%ほどしか伸びていないことから中国の実際の成長率は「7%を大きく下回っている」と推測しています(『日本経済新聞』2015年8月20日)。
「李克強指数」は使えないという意見も
「李克強指数」に対して私が強い違和感を覚えるのはそこに鉄道貨物輸送量が入っていることです。私はこれまで中国で無数の製造業企業を訪問してインタビューしてきましたが、製品や材料の輸送に鉄道を使っているという企業はほとんどありませんでした。何を使うかと言えばトラックです。では鉄道で何を運んでいるかというと、鉄道輸送貨物の55%は石炭なのです。これに石油や鉄鉱石など他の鉱産物を加えると、鉄道輸送貨物の74%が鉱産物で占められます。だから鉄道貨物輸送量で鉱業の動向をとらえようというのならまだしも、それで経済全体の動きをみようというのは大変無理があるのです。
とのこと。なるほど、一理ある。どうやら、遼寧省では石炭が主要な産業で、だから李克強は、李克強指数を使ったけど、それを中国経済全体にあてはめるっていうのは無理な話だと。
そろそろ李克強指数にお別れを
大和総研もおもしろいレポートを出している。
海外で重用される「李克強指数」は、中国では(少なくとも公の場では)ほとんど使われない。今回の取材でも耳にしなかった。
「李克強指数」とは、李克強首相が2007年の遼寧省党委員会書記時代に、遼寧省の景気実態を表す統計として電力消費量、鉄道貨物輸送量、銀行貸出を重要視していたとされることに由来する。
海外では、中国政府が発表する経済成長率は高すぎ、実態はもっと悪いはずであるとの分析があり、その根拠として「李克強指数」が使われることが多い。
しかし、電力消費量と鉄道貨物輸送量は李克強首相が重工業依存度の高い遼寧省のトップであったからこそ、重要視された可能性が高い。電力消費量の多い重工業の生産が増加すれば電力消費量は増えるであろうし(逆も然り)、鉄道輸送は重くてかさばる鉄鋼・鉄鉱石などを運ぶのに適している。言い換えれば、李克強首相が別の地方、例えば北京市や上海市のトップであったら、李克強指数の構成指標は別のものとなっていたであろう。
とのこと。さっきのコラムとおおむね同じことを言っているね。
まあ、意味ないって意見もあるけど、この言葉知ってるだけで、質問とかするときにオッて思ってもらえたりするんで、覚えておくといいと思います。ではでは、blankfeinでしたー。